薬物と博打は同じ脳内物質を出す 届けたい廃人列伝

今日(または昨日)、能町さんが井川(元大王製紙)がいかに狂っているか、のみならず、狂ったまま放置されているか、についてツイッターでぼそっと語っていたのがあまりにも同意できるので、感慨深く、これを書いている。私はこの井川という人物を、街録フル回で鑑みた上で認識する以前に、何やらその「狂人ツイート伝説」のようなものには度々出くわしそのツイート数回読むことがありそれが朧気ながら予備知識となっていた。つまり、誰だか知らないながら、何か、ヘイトスピーチ垂れ流し廃人か、という認識。(最近の日本の事象にかなり無知だった私に轟く悪名となると、それは既に相当なもの、ということも加味して考えられたし。)

それらのツイートは、公に自身の壊れぶりを誇らしげに世界へ喧伝しているかのような「派手に法外な自己放棄」に充溢しており、感じ入った或いは「ドン引き」した層が反応した結果広まり私の目にまで触れることとなったのであろうし、上記能町さんの今日の指摘のように、(井川という人がそもそもまともだったことなどないしこれからまともであることがあるとは)「いまさら誰も何も期待してないが、期待されないと人間とはああなるものなのかね」程度の些細な通りすがり程度の印象吐露。つまり、井川のような人になると、誰も彼が「狂ってない方向へ向か」うなど期待していないし、またはある日突然我に返ってまともになる」などとも間違っても思わないのが現状。そうなると、井川自身が街録で述べているように、そのすでに馳せた悪名からしたら、実際の人物が、何故かくも酸鼻極める人物に成り下がったのやら、と考えさせるぐらいには、多少の人間性が微かに残ってるらしいのが感じられて、興味深くもあり。ご覧になっていない方は是非どうぞ。



このインタビューの本懐はやみがたい博打の快楽に取り憑かれ、最終的には逮捕されるまで会社の金を注ぎ込んだ、井川内面の暗黒部分なのだが、その中毒した脳への刺激とそれを追求する、つまり中毒の正体、を自分の体験に忠実に説明する的確さが思いもよらぬ、いい話になっている。つまり、中毒を実人生で生きて、いま燃え滓が煤になっているような、どす黒い実験報告の図、を晒して惜しげない或る種の正直さがそこにあり、それが感銘を与えかねない。自分が完璧に降伏した中毒の快楽性には、中毒者は永遠に忠誠心がある、という例を井川が身を以て呈しているのだ。

中毒治療の分野で、薬物と博打は同列に取り扱われるものなのだが、それが何故なのか理解するのに私は結構な時間がかかったものだが、いまはそれがよく分かる。中毒が醸し出す脳内物質は、その中毒の物質がなんであれ、最終的には同一のものに帰するからだ。その刺激のメカニズムを井川はかなり良く言語化しているが、つまり、その物質で脳を焼き続けているうちに、文字通りかなりの部分が焼き払われて、滅びていく姿が、この人物の現在なのだろう。まだそれほど年でもないのにさながらかなりの高齢者が陥る呆けの如く、無分別をむき出しに、ヘイトスピーチを日夜誇示するかのように繰り出し、その恥ずかしい自分の姿に頓着しなくなってしまう、それが井川のどす黒い人体実験後、という気がしてならない。重度の薬物中毒に期待しないように、この世は煤けた廃人として以外井川を認知してはいないのだ。

自分の身の破滅を賭した博打でなければ、刺激にならない、危険率が高ければ高い程、刺激は強まる。つまり、自己破壊と同義の賭けだけが、得られる刺激。井川の場合、遠回し、ながらも、結局は己の自己破壊衝動との格闘で、それに対処するのに、会社もろとも巻き込む破綻、と相成った。しかも逮捕だけが、その最終地点だった。それだけが、今生達しうる絶頂感となるとは、かなり傍迷惑、かつ、内面の暗黒がこれ以上無く真っ黒なわけだろう。

街録の画面の下を眺めていたら、この人はメールマガジンや有料サロンをやっているということを知り、気になって見にいった。この人は自分の中毒と身の滅ぼし譚をいま「溶ける」というキーワード駆使して「売ろう」と試みているようだが(「溶ける夜」メンバーシップとか)賭けないことを前提にして麻雀売つ活動、ってこれこの期に及んでまだ何かまずいことやっているのか、という気がするが、この種の会員費を払ってまで、何か暴いたろと潜入するほどこの人物に「反感を持ちつつ粘着や頓着する人間」も最早いまい、と考える私はまだまだ中毒道の認識があまいのか否か。しかし、この人のネットワークで今更非合法があればさすがにそのうち外部に漏れてくるだろうしな?)とにかく、これらのサイト読みながら大笑い、してから、かなり薄ら寒くはなった。

ちなみに、先日やはりツイッターで誰か、往年の中島らもが「飲酒は精神的行為で」と説くのに子供の頃憧れたが、いま大人でしかも年取った大人になって分かる、あれはアルコール中毒の人の発想だったんだね、とあり、そこに「中島はアルのみならず薬中」というリプライも入っているスレッドを読んだが、そういえば、中島らものその類の違う逸話が記憶に蘇る。なんでも、中学生かそのくらいの時期、テスト中ついボーッとして何も手につかず、最後の五分に至り焦って瞬発力で解答を書き入れていると、絶頂感が訪れ、それ以来それに味をしめ、故意に最後の数分まで何もせずにいることがやめられなくなってしまった、というものだった。確かに、この「破綻」を担保にした丁半賭博、中毒になったら厄介そうだが、中島のその精彩に満ちた、しかしこちらは愛され親しまれた人生は、飲酒に端を発した事故で重症を患い、延命装置を以前からの当人の意向に従い外すという経緯で終わる。享年52歳。

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